わかば学級

特別支援学級(軽度知的障害)
わかば学級は、2008年4月港区立港南小学校に新設されました。

学級の概要

 1 対象児童  軽度知的障害の児童

 

 2    5学級

 

 3   話   03-3474-1501(学校)

         03-3474-9832(特別支援学級)

         03-3474-1500(FAX)

 
 4 数     36名(令和5年4月6日現在)

学年

1年

2年

3年

4年

5年

6年

児童数

23

13

36

 

知的障害学級について

知的障害学級について


 知的障害学級は、知的に障害のある子供たちのための学級です。
通常の学級の1学級40人定員(第1・2学年は35人)に対して、この学級は1学級8名で編成されています。また、学級数に加えて1名の教員が加配されています。

 知的障害学級では、障害のある子供たちが、将来、社会の一員としてその子なりに自立し、主体的な生活をおくることができるように、一人一人の子供たちの発達に応じた目標を決めて学習をしています。たとえば、わかば学級では次のような学習を行っています。

  • 挨拶、衣服の着脱や排泄、食事などの基本的生活習慣を身に付ける学習
  • 個別やグループで、一人一人に合わせて行う確かな学力を身に付ける国語、言語、算数の学習
  • 国語及び算数の基礎・基本の力を定着させる「基礎の時間」
  • 豊かな心や表現する喜びを育て、精神の安定を図る音楽や図工、健やかな体と忍耐力、健やかな心を育成するための体育の学習
  • 栽培や調理、買い物、お楽しみ会の計画・実施、校外学習などのように、理科や社会科等の教科、道徳や特別活動等の領域の内容を学習しながら、目的に向かって努力したり、協力して行ったりすることの大切さや自分で考えて工夫する楽しさを知る生活単元学習
  • 交流及び共同学習や英語活動を中心とした総合的な学習の時間での学習
  • 学年集団への所属感や集団での行動力や社会性を高めるための通常の学級での交流及び共同学習
  • 自分の障害について正しく理解し、受け止めることにつながる、区内小中学校の知的障害学級との共同学習

 このような学習のほかにも、係や当番活動などに取り組み、集団として主体的に学校生活を送ることで、将来地域の中で自立した生活をするための基礎となる力を養っています。

 そして、直接的な支援を行わないことも一つの支援と考えて、敢えて見守り、子供が言い争ったり、試行錯誤したりする中で、考える経験も大切にしています。

 また、学級内の学習だけでなく、兄弟班活動、クラブ活動や委員会活動などの特別活動、運動会などの学校行事、交流給食、休み時間、教科交流など、いろいろな場面で通常の学級との交流を行っています。通常の学級との交流によって大きな集団のもつエネルギーを吸収し、たくさんの友達と遊ぶ喜びや社会性など、学級だけでは学ぶことのできないものを身に付けていきます。通常の学級の子供たちも、このようなかかわりを通して、障害のある子供たちに対する理解を深めています。

 また、区内の他の知的障害学級との合同遠足、合同移動教室(4~6年)では、1年生から6年生まで合わせても、区としては少人数であるという特性を生かして、いつもは別に学習している友達と励まし合ったり、協力し合ったり、競い合ったりしながら活動する楽しさを感じることができるように工夫しています。合同運動会では、区内の中学校の知的障害学級6校の先輩と一緒に活動する中で、中学生へのあこがれや生涯にわたって学習することへの期待感を高めています。

 このように知的障害学級では、学級を基盤として、自立につながる基礎・基本の力とそれを生かすための力を蓄え、校内の通常の学級や区内の特別支援学級との交流及び共同学習を通して、それらをより広い場所でも自分の力として発揮できるように学習活動を組み立てています。

指導形態(令和3・4年度) 

 《教科・領域》 

   ◇国語・算数------------コース別学習、全体学習

   ◇音楽・体育・図工---------全体学習、コース別学習

   ◇生活単元学習・日常生活の指導---全体学習、コース別学習


 《クラブ・委員会活動》 

   ◇クラブ活動(4年以上)
      【令和4年度】科学理科クラブ、アニメイラストクラブ、パソコンクラブ、手芸クラブ、     

              写真クラブ、パラスポーツクラブなど

      【令和3年度】読書クラブ、写真クラブ、折り紙工作クラブ、マジッククラブ、

             絵画イラストクラブなど

   ◇委員会活動(5年以上)
      【令和4年度】代表委員会、運動委員会、図書委員会、保健委員会、給食委員会

             栽培委員会、環境委員会など

      【令和3年度】給食委員会、図書委員会、保健委員会、栽培委員会、環境委員会など

交流及び共同学習

*当該学年との交流及び共同学習

      (感染症対策のため、昨年度未実施の項目あり)


  ◇朝会 ◇集会 ◇兄弟班活動 ◇スポーツフェスタ◇お楽しみ会
     ◇教科学習◇社会科見学◇給食 

教育計画

 学校・学級の教育目標
学校の教育目標 人間尊重の精神を培い、心身ともに健やかで広く世界に目を向けた、個性豊かな意欲あふれる児童の育成を目指し、
次のように目標を設定する。

   ◎よく考えて学習する子
   〇すなおで 心豊かな子
   〇進んではたらき 協力する子
   〇健康で がんばりぬく子
学級の教育目標 心身の様子に応じて、生涯に渡って自ら生きる力をはぐくむために基礎・基本となる力や社会参加する資質に富んだ人間性豊かな児童の育成を目指し、次の目標を定める。

   ◎すなおで やさしい子
   〇おちついて かんがえる子
   〇すすんで きょうりょくする子
   〇さいごまで がんばる子

学級経営のねらい 


 (1) 日常生活の自立と健康のために 

 衣服の着脱、洗面、手洗い、排泄、食事、清潔などの基本的生活習慣については、習慣化し、場所が変わってもできることが大切です。また、挨拶、言葉遣い、きまりを守ることなどの集団生活に必要なマナーの確立も大切です。子供自身が、日々の生活に自分の力を出し切って取り組むような目標や手立てを設定し、それに毎日取り組むことで、子供自身の力で生活できる部分が日に日に大きくなり、子供の生活は、より自立的になり、より発展的になります。 また健やかな体は、生活の基礎であり、体力の向上、体重のコントロールも学年が上がるに伴って大切な課題となってきます。放課後の生活で汗を流して活動することがどうしても少なくなってしまう子供が多いため、登下校の習慣、休み時間の過ごし方だけにとどまらず、食生活の管理など総合的な生活習慣のコーディネートが必要です。 また、体育技能の向上を図り、日常的に身体を動かす週間を付けることを目指して、週2時間の体育の時間以外に、火曜日・木曜日の1時間目の広範に「朝体育」の時間を設定しました。「縄跳び(短縄・長縄)」「体操」など繰り返し学習しながら、達成する喜びや生涯にわたって身体を動かすことが楽しいと感じられる子供の育成を目指しています。生活の流れに沿って、実際的な状況の中で繰り返し指導しながら、望ましい生活習慣の形成を図ります。学校と家庭が連携して、子供がよりよく日常生活に取り組めるように生活を整え、必要な支援を行うことで、基本的な生活習慣を身に付けることができます。 子供が1日の生活に見通しをもって、その時々の日常生活の様々な活動を自力で処理できるようになることは、単に身辺生活の処理にかかわる技能を高めることにとどまらず、日常生活をより自立的・発展的に行うための生活意欲や生活態度を育てることにもつながります。それはすなわち、子供が自分の力を最大限発揮できることにつながると考えています。 


 (2)人とのかかわりを楽しむために

 わかば学級は、個と個が集まった集団であること、学校の中の1つの学級である特徴を生かした学級経営を基本にしています。学級の中でも集団で遊ぶ楽しさやルールを守ることの大切さを学校生活のさまざまな場面で体験するようにしています。
  例えば、学級の中での小さな「いさかい」も大きな成長のためのかかわりの一つと考えています。各々の価値観を擦り合わせる大切な中間ポイントだと考えているからです。学級の中での「いさかい」はとても貴重なチャンスです。各々の価値観の中で、互いに落としどころを探るまで、一定の範囲の中で見守ったり、必要最小限の仲介をしたりするに留めます。これらの取り組みが、次の「人とのかかわり」を楽しめることにつながると考えています。 
  学校の一員として全校朝会や学校行事に参加する場面もあります。活動の特性に応じて、わかば学級として参加する場合(学習発表会・消防写生会等)もあれば、当該学年の一員として参加する場合(運動会・全校朝会等)もあります。当該学年の一員として参加する場合は、原則として学年の中の1つの学級を交流の学級として定めることで、かかわりの積み重ねが生じるようにしています。 
 また、交流の学級では、学年での学習(社会科見学・生活科の地域巡り等)やお楽しみ会等でも一緒に学習したり活動したりしています。全校朝会や体育朝会、音楽朝会では、交流の学級の列に並んで参加しています。毎週木曜日には、交流の学級で給食を食べています。 
  他校の特別支援学級との合同行事でも、事前に自己紹介新聞を交換し合ったり、自分と同じ学年の友達を覚えたり、手紙を書いたりすることで、年2~3回のかかわりがその日だけのかかわりに留まることのないように工夫しています。
  
 (3)自分でやろうとする気持ちを育てるために
 

 わかば学級の子供たちの多くは、入学前の生活の中で、どうしても「やってもらう」「やらされる」ことの多い生活を送ってきています。これは、「なるべく早くできるようにさせたい」という願いから考えると当然のことです。しかし6・7歳~11・12歳を迎える小学校の6年間を考えると、日常生活の自立と同じように、自分でやりたいという意欲をもつことが大切な時期と言えます。そのために、自己選択・自己決定の場面を意図的に設定しています。発達段階や学習の目標、教材の難易度に関連しない場面であれば、学習課題を1つだけでなく複数用意し、選択できるようにしています。このような取り組みから「自分で考える」「自分でやる」気持ちを高めていきます。 
 毎週月曜日・金曜日・土曜日の1時間目の後半には、「朝読書」の時間を設けました。生活の合間のちょっとした時間に、学校図書館・学級文庫から選んだ本を読んでいます。本に親しむことが大きなねらいの活動ですが、時間を設定し、必要最小限の支援だけを行うことで、子供たちは、自分で自分の読みたい本を選ぶことができるようになります。
 また、学級の中に新たな課題が発生した場合も、最初は子供の様子を見守ったり、小さなヒントを与えたりすることで、自分で課題を解決していこうとする態度を育てます。
 これらのことは生涯学習の視点からも大切だと考えています。自らの意欲が次の自分の課題を発見し、そのことに自律的に取り組んでいく態度につながる基盤を作りたいと考えています。 


 (4)「もっとやってみたい」という意欲のために

  学校生活の多くの時間が授業時間です。登校してから学校で過ごす時間(6時間授業日)は、6時間35分(8時10分~15時15分)で、授業時間は約5時間(45分×6時間+15分=285分)になります。およそ3分の2が授業時間です。わかば学級では、この時間以外にも、日常生活上の学習課題や休み時間の過ごし方についても目標を設定しますから、ほとんど全ての時間が学習の時間です。 
  「自分の課題を意識する」→「課題に向かって努力する」→「わかった」「できた」→「友達にスゴイって言われた」「保護者や教師に誉められた」→「もっと上手にできる友達がいるぞ」「ちょっと難しそうだけどやってみようかな」というルーチンの中で、「わかる楽しさ」「できる喜び」を味わうことはとても重要です。一人一人がその思いをもつことができるような取り組みを、授業時間はもちろん、学校の教育活動全体の中で行うことで、「もっとやってみたい」という意欲につながると考えています。叱る時は簡潔に一度だけ、一度できたことはその時誉め、区切りの時にも誉め、次の時間も誉めることを心がけています。
 また 一人一人の個性を認め、集団の中で一人一人が活躍できる場面を設定することも心がけています。「努力していることに価値がある」ということが学級の風土となるように努めていきます。 


 (5)一人一人の成長を確実にするために 
 
 子供たち一人一人が安全で楽しい学校生活が送れるように配慮し、それぞれの発達段階に合わせて指導にあたります。一人一人の課題に応じて、保護者、学級医や専門機関と連携して個別の教育支援計画及び個別指導計画を作成し、学習活動の基盤として活用しています。
  そして、子供たちが放課後に利用している児童館、学童クラブ、療育施設、医療施設、学習機関とも、直接的に或いは保護者を通して間接的に、それぞれの役割を確認しながら、子供たちに必要な連携した支援を考えていく努力をします。
 また、授業場面における工夫として、幾つか心がけていることがあります。複数指導者制がわかば学級の特性ですが、「子供たちが主指導者に注視できる環境を保持する」「主指導者の指示をそれ以外の教職員が安易に繰り返さない」ということを常に意識しています。授業の開始時刻や終了時刻を教師自身が守ることも大切で、このことが、次の活動に必要な時間を保証することにつながり、子供たちが安心して授業に参加できるようになります。子供たち自身にも、時間を守ることや、やらなくてはいけないことは素早く短時間で行うことを求めています。この場合にも、「周りから遅れないようにするための支援」よりも「周りから遅れていることに気付ける支援」を心がけ、子供自身が修正していこうとする気持ちを育てます。
 さらに、授業規律についても、「授業の始めと終わりの挨拶を全員が姿勢を正しくして行う」「指名されたら、返事をしてから答える」「挙手して指名されてから答える場と、各々が口々に答えてよい場の区別をする」というルールを徹底しています。
 そして、子供たちに提示した目標が、的確に子供たちに伝わり、子供たちが見通しをもって適切に活動しているかということを、常に子供の姿で評価し、授業を進めていくことを大切にしています。これは、45分の中で1回だけ行うのではありません。授業を構成している細かい活動一つ一つについて、「子供に伝えたら、そのことができているか評価する」という繰り返しで授業が成立しているという考え方に基づいて、可能な限り細かいターンでの指導と評価の一体化を目指します。
 また「活動についての説明の後には質問の時間を設ける」ことや「授業の最後に、代表の児童1名が学習のまとめの発表をする」ことを通して、子供たちが見通しをもって活動に取り組むことも大切にしています。
 これらのこと一つ一つが、子供たちの成長を確実にするための大切な営みだと考えています。

わかば学級の1年間  主な行事予定

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わかば学級の1日